第423章 責任

二分後、看護師は息を切らしながら注射液を持って戻ってきた。

人工呼吸は体力を消耗するもので、この時矢野先生はすでに汗だくになっていた。

看護師はその様子を見て、怒りながらブドウ糖インスリン注射液を沢井恭子に投げ渡すと、矢野先生の側に行って手伝い始めた。

沢井恭子は怒らなかった。

宮本信司はもともと点滴を受けていて、手の甲には点滴針がまだ残っていた。彼女は自ら手を動かし、手にある注射液を取り付け、速度を最大にした。

看護師はそれを見て怒り、前に出て干渉しようとした。「何をしているの?!患者は糖尿病ではないと言ったでしょう。こんな注射をしたら、患者は低血糖になってしまいます!救命の妨げになります!」

インスリンはすでに注射されていた。

沢井恭子は看護師を制し、説明した。「彼はカリウム中毒です。ブドウ糖インスリンで体内のカリウム濃度を薄めているんです。」