その音は短かったが、看護師を一瞬呆然とさせた。
彼女の体は硬直し、無意識に振り向くと、モニターの直線だった波形が、今まさに波打ち始めているのが見えた。
「心拍が戻った!急いで、続けて!」
他の医師たちが喜びの声を上げ、矢野先生も少し驚いて、沢井恭子を一瞥してから、急いで手の動きを速めた。
さらに10秒が過ぎ、再び短い「ピッ」という音が鳴り、続いて安定した「ピッ」「ピッ」「ピッ」……という音が続いた。
部屋にいる全員がこの音がなんと素晴らしいものかを感じていた!
宮本信司の心拍が戻り、蘇生に成功したのだ!!
沢井恭子はすぐに一歩前に出て、彼のまぶたを持ち上げて確認し、さらに機器で彼の体の測定値をチェックした。脳に損傷がないことを確認すると、大きくため息をついた。
矢野先生は息を切らしながらベッドから降り、足がふらついて倒れそうになった。彼は痛む両手をさすりながら、感嘆の眼差しで沢井恭子を見た。「沢井さん、あなたは医学の知識をお持ちなのですか?まさか当てられるとは、本当に塩化カリウム中毒だったんですね!」