044 プレゼント

佐々木理恵は得意げな表情で佐々木和利を横目で見ながら、好奇心いっぱいに足を組んで二見奈津子からのプレゼントを待っていた。

二見奈津子は箱を佐々木理恵に手渡した。少し重かったので、佐々木理恵が受け取った時に沈み込んでしまった。「開けてもいい?」

二見奈津子が蓋を開けると、周りの人がまだ中身を確認する前に、佐々木理恵は興奮して叫んだ。「あっ!お姉さんの本だ!」

彼女は箱を佐々木和利の胸に押し付け、一番上の本を取り出して急いでページをめくり、再び叫んだ。「あっ!お姉さんのサインがある!あっ!ストーリーのイラストも!あっ!お姉さんのサイン入り写真まで!」

佐々木理恵は本を抱きしめながらぴょんぴょん跳ね、二見奈津子に駆け寄って抱きついた。「お義姉さん!お義姉さん!大好き!」

坂元慶子は呆れ笑いをしながら言った。「この子ったら、何がなんだか。お姉さんだのお義姉さんだの!」

佐々木理恵は本を大切そうに撫でながら説明した。「だって、本を書いていた時はお姉さんだったじゃない。私、ファンだからお姉さんって呼ぶの。でも!今はお義姉さんになったんだもん!」

佐々木理恵は興奮のあまり、跳びはねて叫び続けた。

二見奈津子はプレゼントが気に入ってもらえて嬉しそうだった。

佐々木和利が言った。「放っておけ。しばらく興奮が収まらないだろう」

二見奈津子は微笑んで、今度は画集を取り出して佐々木宗に渡した。佐々木宗は見るなり驚いて喜んだ。「裕子の絵?最新の三作品も入ってる?どうしてこんなに早く画集が出たの?和利に頼んで買ってもらおうと思ってたところなのに」

二見奈津子は佐々木宗が自分の絵を本当に気に入ってくれているのを見て、少し照れくさそうに言った。「おじいさまがお好きなら、全部差し上げます」

「私、大好きなんです!特に彼女の絵が大好きで、ファンなんですよ!でもこの画集は持ってなかったんです。素晴らしい!素晴らしい!こんな貴重なプレゼント、本当に嬉しいです!」

お年寄りがこれほど喜んでくれるのを見て、二見奈津子は急に自分が小さく出過ぎたと感じ、思わず言った。「おじいさま、もしよろしければ、宣伝期間が終わったら、この三作品のオリジナルをお譲りします」