115 束縛

佐々木理恵が参加したいのは、リアリティショー番組のライブ配信で、全10回、2ヶ月以内に収録を終える必要があり、スケジュールはかなりタイトで、仕事の強度も高かった。

佐々木理恵が参加したい理由は、二見華子が出演するからだった。

二見華子は最近、ネガティブなニュースに悩まされ、非常に苦しい立場にあった。

二見和利は、会社で最も影響力のある谷口安子マネージャーに二見華子のマネジメントを任せた。

谷口安子は有名な短気な性格で、所属タレントを厳しく管理し、二見娯楽の重要な柱の一人だった。

以前、二見華子を谷口安子に任せなかったのは、二見和利が妹に辛い思いをさせたくなかったからだ。谷口安子が怒り出すと、社長である彼の顔も立てないため、それゆえに業界での評価も高かった。

今回、二見和利は心を鬼にして二見華子を厳しく指導することにした。彼女にはしっかりと成長してほしかったからだ。以前のように、あらゆることに手を出して、どれも中途半端になるよりも、演技力を磨いて、いくつかの良い作品を作ってからの転身の方が良いと考えたのだ。