409 消失

谷口安子は誰よりも自分が二見和利を裏切る道をどれだけ進んできたかを知っていた。彼女はすべての希望を二見華子に託し、華子を売り出し、さらに佐藤家を後ろ盾にすれば、和利はすぐに過ぎ去る雲のように取るに足らない存在になると思っていた。そうすれば彼女は成功し、自分の目標を達成できるはずだった。

しかし、彼女の見通しは甘かった。

目の前で何か問題が起きると泣き叫ぶだけのこの女は、まさに救いようのない無能者で、彼女が心血を注いで綿密に計画したことを何度も台無しにし、彼女の努力を水の泡にしてしまう。

だが今や、彼女に選択肢はなく、二見和利の意向に従って進み続け、二見華子を支え続けるしかない。

二見和利は完全に二見華子を道具として使おうとしている。恥辱を晴らし、家産を奪い、そして妹、本当の妹である二見奈津子を助けるために!