二見華子は驚いて二見和利を見つめた。「お兄さん、どうしてこんなに、恥知らずになったの?」
二見和利の顔から笑みが消えた。「ほう?恥知らずだって?私が恥知らずなのか?華子、これが恥知らずなら、お前は二見奈津子と佐々木和利が既婚者だと知りながら、彼らの結婚に割り込もうとしている。それは何だ?もっと恥知らずじゃないのか?」
「結局、全部奈津子のためなのね?!奈津子のために、私を潰すつもり?」華子は怒鳴った。
二見和利は淡々と言った。「自分の実の妹のためなら、何がいけないんだ?」
華子は怒りで頭に血が上り、二見和利を指さして言った。「記者会見を開くわ!みんなにあなたの本当の目的と、その卑劣な顔を知らせてやる!」
「いいだろう!好きにしろ!」二見和利はゆっくりと身を翻した。
「ただ、忠告しておくが、今のお前の立場を考えろ。お前の言葉を、誰が信じるか考えてみろ」二見和利は庭へと歩いていった。
華子はぐったりとソファに座り込んだ。
二見和利は、本当に容赦がない。
バッグの中で携帯が震え続けていた。華子は無意識に電話に出た。
谷口安子の焦った声が耳に入ってきた。「華子、どうしてやっと電話に出たの?心配したわ!華子、今すぐ緊急の件があるの。優斗さんが新しい商品を早く送るように急かしているのよ!」
華子は手で顔を乱暴に拭いて、冷たく言った。「今、彼らのために新しい商品を探す気分じゃないわ。私を何だと思ってるの?売春宿の女将かなにか?」
谷口安子は華子の愚痴に全く気にしていなかった。「華子!その言葉、優斗さんに言えるの?私には無理よ!早く何とかして!」
「私に何ができるっていうの?今は会社が和利の手の中にあって、人選も新人の育成も彼が直接担当してるのよ。私がどうやって手を出せるっていうの?あなたも知ってるでしょ、そんな無駄な話して何になるの?」華子はいらだった。
谷口安子は声を低くして言った。「華子!彼らはあなたの写真を持っているのよ!優斗さんが言ったわ、約束した数の商品を送らなければ、あなたの写真を公開すると!華子、何とかしないと!そうしないと、あの優斗さんは何でもやりかねないわ。彼が本当にやったら、私たちはどうなるの?」
華子は呆然とし、頭の中で自分がボロボロの姿で皆に非難される様子を想像し、思わず身震いした。