佐藤隼人は森村晃が何を言おうと、妹の悪口を聞くつもりなどさらさらなかった!
佐藤和音は佐藤隼人の背中を見つめながら、胸の中が温かく、少し熱くなるのを感じた。
これが初めてだった。誰かが彼女の前に立ちはだかってくれたのは。
森村晃も呆れ果てた。佐藤隼人のような頭の固いシスコンと話しても全く通じない:
「はいはい、もう議論はやめだ。お前が選択的に耳も目も不自由なのは勝手だが、後で自分が騙されたときに分かるさ!」
「お前に言われる筋合いはない!今すぐ妹に謝れば済むことだ!」
「何で謝らなきゃならないんだ?俺が彼女の足を踏んで、彼女も俺の足を踏み返しただけだろう。なんで俺が謝らなきゃならないんだ?」
森村晃と佐藤隼人の口論は激しさを増していった。
そこへ上杉望が現れた。「何を喧嘩してるんだ?俺のパーティーを台無しにする気か?」