第56章 パーティー(5)

「これは私が主催したホームパーティーよ。秋次おじいさんが主催したわけじゃないわ」

上杉望は招待状に秋次おじいさんが出席するとは一言も書いていなかった。

それは彼らが勝手に想像したことだった。

「いや、でも秋次おじいさんは……」

招待状には秋次おじいさんが来るとは書いてなかったけど、この時間にこの場所で、秋次おじいさんのためじゃないなら、何のために開くというの?

みんながそう考えるのは当然のことじゃないの?

上杉望は説明しなかった。このパーティーを開く理由は確かに秋次おじいさんと関係があった。

東京から指示があり、秋次おじいさんに若い女性を紹介するようにと言われていた。

何もしないわけにはいかない。菊地おじいさんの命令を聞かないなんて、死にたくなければできないことだった。