第53章 パーティー（2）

森村晃は笑顔を浮かべながら言った。「秋田緑、あんたずるいよ。こんなかわいい子がいたのに、早く紹介してくれなかったじゃないか。罰として夜食をおごってもらうよ！お酒も三杯だ！」

森村晃は秋田緑に近寄って冗談を言った。

「うるさい、うるさい。最近イライラしてるのよ！」秋田緑は苛立たしげな表情を見せた。

「どうしたんだよ？誰がそんな度胸があって、秋田さんを怒らせたんだ？命が惜しくないのか？」

「あの生意気な女よ！」

「おや？本当に誰かに怒らせられたのか？なんで仕返しをしなかったんだ？」

「言わないで！あの生意気な女、私の弱みを握ってるのよ！」

秋田緑は佐藤和音に握られている弱みのことを思い出すと、非常に不愉快な気分になった。

そのことで、一ヶ月分のお小遣いを没収されてしまったのだ。

今日、上杉家に来なければならなかったから、お父さんは彼女が秋次おじいさんと話せることを期待して、やっと半月分のお小遣いをくれたのだ。

「マジで？あんた、やられちゃったの？」森村晃は興味深そうな様子だった。

「私のことを笑いに来たなら、さっさと消えなさい。」

「いやいや、そんなつもりじゃないよ。俺たち長年の付き合いだろう？俺がそんな人間に見える？誰なのか教えてくれよ。あんたが表に出られないなら、俺が代わりにやってやる。」

「本当？」これを聞いて、秋田緑の目が輝いた。

「俺、森村晃が言ったことは必ず実行するだろう？」

「いいわ。あの生意気な女は他でもない、佐藤家のあの横柄な佐藤和音よ。」

「あの傲慢な佐藤お嬢様のことか？」

森村晃は佐藤和音を知っていた。一度パーティーで彼女を見かけた時、一目で彼女に目を奪われた。

目立つ容姿で、魅力的な顔立ちだった。

そこで彼は話しかけに行った。

しかし佐藤お嬢様は気が強く、彼を完全に無視し、さらに近寄るなと言われた。

まるで自分が本当のお姫様だとでも思っているかのような、高慢な態度だった！

「他に誰がいるっていうの？」秋田緑は佐藤和音のことを思い出すと、胸の中で怒りが燃えるのを感じた。「あの女、佐藤直樹をあんな目に遭わせておいて、少しも後ろめたさを感じていないのよ。本当に吐き気がする！」

「彼女が佐藤直樹を害したって？あれは彼女の兄じゃないのか？」