「今日はゲームでもしようか。普段どんなゲームをしているの?」千葉佳津が突然提案した。
佐藤和音は千葉佳津を一瞥して、首を振った。
彼女はゲームをしない。
「着せ替えゲームや戦略ゲームもやったことない?」
千葉佳津はIT業界で働いているため、市場動向についてよく知っていた。若い女性がどんなゲームを好むかも把握していた。
首を振る。
佐藤和音は何に対しても興味がないような様子だった。
千葉佳津は自分のパソコンを開き、佐藤和音に好きなゲームを選ばせた。
千葉佳津のパソコンにはあらゆるゲームがあった。中には遊ぶためではなく、市場動向を把握するためにダウンロードしたものもあった。
「なぜゲームをしなければならないの?」佐藤和音は千葉佳津に尋ねた。
「おばあさんが、もっと娯楽を持ってほしいと思っているんだ。ずっと勉強ばかりしているのを心配しているんだよ」千葉佳津は正直に答えた。