第76章 凌を守る(1)

上杉邸。

上杉望は退屈そうにスマホをいじっていた。

今日は秋次おじいさんが外出しないので、彼も一緒に家に閉じこもっていた。

退屈のあまり、上杉望は栄光高校の学校掲示板を開いた。

前回の佐藤和音に関する学校の投稿以来、彼は最近よく学校の掲示板を覗いていた。

そして突然、上杉望は佐藤和音に関する新しい人気投稿を見つけた。

また告白の投稿だった!

「なんだよ!どこの若造だ、和音ちゃんまだ若いのに、手を出そうとしてるのか?」上杉望はスマホを見ながら驚きの声を上げた。

隣でパソコンに向かっていた菊地秋次のキーボードを打つ手が急に止まった。

「何の話だ?」

「隣の和音さんの話ですよ。誰かが学校の門の前に花とバルーンを山ほど用意して、横断幕まで掲げて告白したんです!」

上杉望は返事をしながら投稿をスクロールしていた。