「お母さん、安心して。私はしっかり勉強して、いい大学に入るわ。将来、お母さんを幸せにするから。信じて、私が大学に入ったら、お母さんはこんなに苦労しなくていいの」
原詩織は原おばさんを慰めた。
原おばさんの感情は、しばらくしてようやく落ち着いた。
そして原おばさんは原詩織に尋ねた。「そうそう、最近学校でお嬢様に会ったりした?」
佐藤和音が本家に行ってしまい、原おばさんは佐藤和音と接触する機会を失っていた。
「お母さん、私は高校三年生で、和音は高校一年生よ。私たちは違う校舎にいるから、特別な事情がない限り会うことはないわ」
「そう...」原おばさんの目に少しばかりの失望の色が浮かんだ。
「お母さん、どうしてそんなことを聞くの?何かあったの?」原詩織は追及した。
「ううん、何でもないの。ただ聞いてみただけよ。お嬢様が家にいないから、心配で」原おばさんは慌てて説明した。