佐藤正志が佐藤邸を去った時、佐藤家の別荘の小屋にいた原詩織と原おばさんは口論になっていた。
「お母さん、次からこんなことはしないでね。約束したでしょう、プレゼントは私が用意するって」原詩織は眉をひそめ、諦めたような口調で言った。
「何を言ってるの?」原おばさんは原詩織の言葉に困惑した様子だった。
「今日、若旦那様へのプレゼント、あんなことするべきじゃなかったわ」
「今日のプレゼントは、あなたが用意したんじゃないの?」原おばさんは驚いた表情で聞き返した。
原詩織は母親の表情から、母親が本当に知らなかったことを悟った。
「お母さんがしたんじゃないの?じゃあ……」原詩織は急に困惑した。
「私はあなたが準備したと思ってたわ。この佐藤家で、あなたのお母さん以外に誰がこんなことをするかしら……だからお母さんは……これ……あなたがしたんじゃないの?」原おばさんも混乱していた。