第99章 旧宅での出会い（4）

雰囲気が一瞬凍りついた。

佐藤直樹は物音を聞いた時、佐藤和音が戻ってきたことに気づき、体が少し動き、顔の筋肉が明らかに硬くなった。

しかし、彼は顔を上げることなく、携帯を弄り続け、佐藤和音という人物がいないかのように振る舞った。

岡本治美は佐藤和音の方を見つめ、久しぶりに会う娘の痩せた姿を見て、胸が込み上げ、目に涙が浮かんだ。

佐藤賢治と佐藤正志の表情は幾分重々しかった。

佐藤おばあさんは心の中で溜息をつき、この状況を見て、心が痛んだ。

年配者として、当然家族の和を願い、皆が安全で幸せに過ごすことを望んでいた。

しかし、思い通りにはいかず、彼女にもどうすることもできなかった。

山田燕は面白い展開を期待していたが、菊地秋次が現れた瞬間、彼に注意を奪われてしまった。

彼女は再び佐藤家本邸で秋次おじいさんに出会ってしまった。