佐藤和音と連絡を取っていた人物から、彼らが見つけた葛城山リゾートホテルの監視カメラ担当者の自白ビデオが送られてきた。
佐藤和音はイヤホンをつけて、この男の供述を聞いた。
その中で、山田燕が彼に大金を渡し、事が成功した後すぐに大阪市を離れるよう指示し、彼女との全ての連絡記録を削除するように命じたことが明かされた。
全ての過程が慎重に行われ、ほとんど証拠は残されていなかった。
佐藤和音はそのビデオを保存した。
少し間を置いて、佐藤和音は返信した:【条件を承諾します。その人物も必要です。】
佐藤和音は相手の条件に同意したが、もちろん、相手が彼女の指定したビデオの内容を彼女の手元に届けることが条件だった。ビデオの所在に関する情報だけでは不十分だった。
【承知しました。その人物は一時的に私たちが監視しておきます。彼が再び大阪市から逃げ出すことはありません。また、できるだけ早くビデオを入手するようにいたします。】
相手は佐藤和音以上にこの件の進展を気にしているようだった。
【分かりました。】佐藤和音は返信した。
【そうそう、今回私たちがこの男を追跡している間、他にもこの男を探している人たちに遭遇しました。】
佐藤和音にメッセージを送った人は、関連する情報を一切隠さなかった。
【どんな人たちですか?】
【誰に派遣された人たちかはまだ分かりませんが、確実にあなたたちの大阪市の人間です。】
【分かりました。ありがとう。】
つまり、佐藤和音以外にも、大阪市には突然退職したホテルの監視カメラ管理者の行方を追跡している人がいるということだった。
そして佐藤和音は今のところ、相手の身元も目的も分からなかった。
佐藤和音がちょうど会話を終えたところで、大井心が近寄ってきて佐藤和音の服を引っ張った:
「和音、早く見て、掲示板にまた投稿があって、すごく注目を集めているわ。」
佐藤和音は普段、学校の掲示板を見ることはなかったが、大井心は暇があれば必ず目を通していた。
新しい面白い話題や衝撃的な内容を見つけると、大井心はいつも佐藤和音に教えていた。
佐藤和音が学校の掲示板アプリを開くと、最上位の人気投稿が原詩織に関するものだった。
投稿タイトル:【女神の父親が実はゴロツキ、学校で大暴れして、とても恥ずかしい場面に。】