佐藤和音は点数が取れないと思って適当に書いた作文の部分に、先生が意外にも二十点の「努力点」をつけた。
一方、彼女が正解だと思った読解問題は、全て零点だった。
大井心はちょうど佐藤和音の読解問題の解答を見た。
佐藤和音の解答を見た瞬間、大井心の表情が凍りついた。
問題:本文の最後から二番目の段落で、主人公の目が赤くなったのはなぜですか?
佐藤和音の解答:結膜と強膜の血管が刺激を受けて拡張し、うっ血や出血が起きると、白目が赤くなることがあります。
問題:「傘を握る指先が白くなり、彼は秋の気配をより強く感じた」というこの一文をどう解釈しますか?
佐藤和音の解答:血液循環が悪くなると手足の末端部分の血流が不足します。特別な治療は必要ありませんが、体を温かく保ち、激しい運動は避けてください。