第152章 また1凌の友人たち

翌朝、山田燕が佐藤隼人に再会した時、隼人の顔からはいつもの生気と楽観さが消えていた。

山田燕は彼を見るなり、決断を尋ねた。「決めたの?」

山田燕は佐藤隼人の決断を待っていた。もしこの子が佐藤和音を助けることを選ぶなら、それは母親である彼女を追い詰めることになる。

「もう聞かないで。昨夜は何も見ていなかったことにする。」

佐藤隼人の声には絶望が滲み、まるで死んだ水のように生気がなかった。

彼は決断を下した。母親を守ることを選んだのだ。

しかしそれは和音ちゃんを裏切ることを意味していた。

もう和音の兄としての資格はない。

佐藤隼人は一晩中崩れ、一晩中泣き続けた。

そして最後には落ち着きを取り戻した。

この決断で失ったのは、妹への思いだけでなく、かつての純真で楽観的で前向きな少年でもあった。