第157章 骨身に染みる真実

この時、動画は一時停止され、誰かが再生ボタンを押すのを待っていた。

停止した画面には、口論している佐藤和音と佐藤直樹の姿があった。

これが葛城山リゾートホテルで紛失したあの動画だった。

それが突然、佐藤家の者たちの前に現れたのだ。

この動画を紛失したホテルの映像管理担当者も一緒に現れた。

真実は目の前にあり、再生ボタンを押すだけで幕が開く。

佐藤賢治は震える指で再生ボタンを押した。

岡本治美と佐藤正志は彼の後ろに立ち、三人の目は小さな画面に釘付けになった……

タブレットの画面で、場面が次々と流れていく……

口論から転落、そして兄を助けようとして失敗した少女が恐怖と茫然とした表情で地面に座り込んで泣いている様子まで。

彼女は恐怖で震えていた。

ガラスの破片の上に倒れている兄を見つめ、無力さと恐怖に襲われていた。

彼女には非があった。こんな危険な場所で兄と口論するべきではなかった。

あの口論自体がなければよかったのかもしれない。

しかし、彼女は一度も、一度たりとも実の兄を突き落とそうとは思っていなかった。

むしろ危機的な瞬間、彼女の本能的な反応は兄を掴もうとし、守ろうとすることだった。

ここまで見て、岡本治美は口を押さえ、声を上げて泣き崩れた。

彼女は立っていられないほど震え、佐藤正志が支えた。

「和音、和音、私の和音……」岡本治美は涙で言葉にならなかった。

佐藤賢治はその場に立ち尽くし、胸に鈍い痛みを感じていた。

その痛みは骨の髄まで染み渡り、呼吸すら困難にさせた。

彼らの娘は、家族を傷つけるようなことはしていなかった。

冤罪だったのだ。

そして彼女は最初に自分の潔白を主張して戦っただけで。

その後はこの罪を黙って受け入れていた。

冤罪を着せられ、中傷され、傷つけられ。

すべてを、彼女の小さな体は黙って耐えていた。

かつては彼らの最愛の、甘えん坊の娘だったのに!

一瞬にして心は後悔と自責の念に飲み込まれた。

性格の柔らかい岡本治美が耐えられないのは当然で、佐藤賢治さえも窒息しそうな思いだった。

佐藤和音のかつての素直さは、今や一本一本の棘となって佐藤家の者たちの心を刺していた。

一刺し一刺し、一針一針。

針は血を見、骨まで刺さる。

佐藤正志は拳を握りしめ、手の甲に青筋が浮き出ていた。