第154章 怖がらないで、私が処理する(2)

岡本治美は焦って、すぐに夫に電話をかけた。

「賢治、和音が、和音が突然病院を飛び出して、友達だという中年男性たちの車に乗り込んでしまったの……」

「何だって?」会社で会議中だった佐藤賢治は、その知らせを聞いて大変驚いた。「落ち着いて。今、病院の入り口にいるんだね?」

「ええ」

「和音は自分から車に乗ったの?」

「そうよ。和音はあの人たちが友達だと言ったけど、どうやって知り合ったのかわからなくて。賢治、どうしましょう?和音に何か危険が及ぶんじゃないかしら?」岡本治美は泣きそうになり、声が震えていた。

「慌てないで。今すぐ行くから」

佐藤賢治は隣の秘書に二言三言告げると、急いで会社を後にした。

道中、今は在宅勤務している佐藤正志にも連絡を入れた。

同時に佐藤家の警備員たちにも連絡を取った。