第163章 老夫人の叱責(1)

「お肉が食べたい」佐藤和音は真剣に答えた。

もう背は伸びないし、このままお粥と野菜だけを食べていたら、なおさら背が伸びる望みはなくなってしまう。

その言葉を聞いて上杉望は笑った。「いいよいいよ、牛肉も羊肉も魚も何でも用意するから!御馳走を振る舞ってあげるわ!」

上杉望が言い終わるや否や、振り向いた先で菊地秋次の冷たい視線と目が合った。

あっ……こっちには贅沢な食事ができない人がいるのを忘れていた。

佐藤和音も菊地秋次の方を向いて言った。「あなたはキノコを食べて」

菊地秋次は怒る様子もなく「君が作ってくれるなら食べるよ」

「うん。病気が治ったら、作ってあげる」和音は言った。

今日もまた迷惑をかけてしまった。

きちんとお礼を言わないと。

「だったら早く元気になってくれ」菊地秋次は佐藤和音のやせ細った姿を見て、どうしても気に入らなかった。