見た目は弱々しいのに、話すときは自信に満ちていて断固としている。
何事も一人で解決したがる。
ソファに座った菊地秋次は眉をひそめた。
菊地秋次は佐藤和音に追及せず、直接自分のボディーガードに耳打ちし、数言葉を伝えると、ボディーガードは立ち去った。
しばらくしてボディーガードが戻り、調査結果を菊地秋次に報告した。
続いて菊地秋次は立ち上がり、大股で佐藤和音の前まで歩み寄り、白いふわふわのコートに包まれた小うさぎを見下ろすように見つめ、佐藤和音に先ほど起きた出来事を直接告げた:
「君の同級生の大井心が入院したんだ。理由は不良グループに囲まれたからだ。大きな怪我はない。」
事態はそれほど深刻ではなかったため、その三人の不良は罰金と十五日間の拘留で済んだ。
しかし菊地秋次は、佐藤和音がまだ何かしようとしているのを知っていた。
菊地秋次は口元に笑みを浮かべ、やや邪悪な表情で言った:「こうしよう。俺と取引をしないか。お前が俺に一つ頼みを聞いてくれたら、俺もお前の頼みを一つ聞く。公平公正で、お互いに利益があり、借りも作らない。」
佐藤和音は顔を上げて菊地秋次を見つめた。彼は口元に笑みを浮かべ、鋭い眼差しを向けていた。
菊地秋次は付け加えた:「どうせ報酬を払って他の人に頼んでも同じ結果だろう。それなら俺と取引した方がいい。俺は普通の人より使える。」
他の人に頼むのも、菊地秋次に頼むのも、頼むことには変わりない。
理論的には同じことだ。
そして確かに、菊地秋次は普通の人よりも頼りになる。
「どんな取引?」佐藤和音は尋ねた。
菊地秋次は包帯を巻いた腕を指さし、「これを治してくれ。傷跡を残さず、醜くならないように。」
「でも、私はもともと……」
菊地秋次は佐藤和音の言葉を遮った:「もともと何だ?もともと俺を治してあげようと思ってた?傷跡を残さないように?俺もお前と同じで、人に借りを作るのは好きじゃない。これは俺にとっても小さな話じゃないだろう?理論的に考えれば、俺は損はしていない。」
厳密に考えれば確かにそうだった。佐藤和音の軟膏は外では手に入らないものだ。
だから理論的に考えれば、それも悪くない。
小さな顔に真剣な表情が浮かんだ。
菊地秋次はそんな彼女の考える様子をじっと見つめていた。