第218章 「親友」が手伝いたがる(1)

鈴宮玉城は今、自分のオフィスにいた。こちらはまだ昼間だった。

彼の前には高低差のある位置に7、8台のモニターが並べられていた。

佐藤和音に国際電話をかけ終わると、彼はゆったりと背もたれに身を預けた。

さっきのことを誠也若様に言うべきだろうか?

やっぱり黙っておこうか?もし殴られでもしたら?また意味不明な任務を押し付けられたら?

最近でさえ十分ベビーシッター状態なのに、これ以上面倒なことは避けたほうがいいだろう?

うん、その通り、余計なことはしないでおこう。

どうせ和音ちゃんが困ったことがあれば、お兄さんに相談するはずだ。

和音ちゃんから直接誠也若様に話してもらった方がいい。

自分は透明人間でいよう。

手柄も名誉も求めずに。

しかし、和音ちゃんの声は相変わらずだな。あの優しくて甘い声、蜜のような声。

今どんな顔をしているのだろう。子供の頃のままなのかな。あの柔らかい頬っぺた、怒ると頬を膨らませて、唇を尖らせて、誰にも機嫌を直してもらえない姫様のような表情。

はははは。

鈴宮玉城は以前、佐藤和音を怒らせてしまい、佐藤正志にボコボコにされたことがあった。

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佐藤和音が家に着く前に、上杉望から電話がかかってきた:

「和音様!どこに行ってたの?佐藤おばあさんが病院に行ったって言ってたけど?どうしたの?」

上杉望の声は非常に焦っているように聞こえた。

さっき佐藤家に和音を訪ねてきた時、佐藤おばあさんから和音が病院に行ったと聞かされた。

それだけ言って、すぐに友達と電話でおしゃべりを始めてしまい、上杉望を困らせた。

秋次おじいさんの手の怪我がまだ治っていないのに、和音様まで病院とは?

命が縮まる思いだ。

上杉望は佐藤おばあさんにからかわれたのだ。

考えてみれば、もし佐藤和音が本当に入院していたら、佐藤おばあさんがそんなにのんびりと友達と電話なんかしているはずがない。

「大丈夫よ」佐藤和音は落ち着いた声で答え、その声には生まれつきの素直さが感じられた。

「ダメダメ、今すぐ場所を教えて。すぐに行くから」

上杉望は和音の言葉を信じなかった。前回胃腸炎の時も大丈夫だと言って、あちこち歩き回っていたのだから。

「もうすぐ帰るわ」佐藤和音は上杉望に事情を話すつもりはなかった。