鈴宮玉城は今、自分のオフィスにいた。こちらはまだ昼間だった。
彼の前には高低差のある位置に7、8台のモニターが並べられていた。
佐藤和音に国際電話をかけ終わると、彼はゆったりと背もたれに身を預けた。
さっきのことを誠也若様に言うべきだろうか?
やっぱり黙っておこうか?もし殴られでもしたら?また意味不明な任務を押し付けられたら?
最近でさえ十分ベビーシッター状態なのに、これ以上面倒なことは避けたほうがいいだろう?
うん、その通り、余計なことはしないでおこう。
どうせ和音ちゃんが困ったことがあれば、お兄さんに相談するはずだ。
和音ちゃんから直接誠也若様に話してもらった方がいい。
自分は透明人間でいよう。
手柄も名誉も求めずに。
しかし、和音ちゃんの声は相変わらずだな。あの優しくて甘い声、蜜のような声。