鈴宮玉城の話を聞き終わると、佐藤和音は即座に電話を切った。
しばらくすると、また同じ番号から電話がかかってきた。
佐藤和音は再び電話に出た。
「和音ちゃん、お兄さんよりも冷たいなんて。ただ一声『お兄さん』って呼んでほしかっただけなのに。そんなに難しいことなの?」
鈴宮玉城は困り果てた。
兄は冷たく、妹も同じように冷たい。
前世で彼らに何か借りでもあったのだろうか?
冷酷な佐藤和音にまた電話を切られないように、鈴宮玉城は電話をかけた本当の目的を打ち明けた:
「和音ちゃん、玉城兄はもう冗談言わないよ。これは重要な件なんだ。さっきダークウェブで君に関する懸賞金の情報を見つけたんだ。なんと誰かが1万元で君の隣の席の子をいじめる懸賞金を出してる!隣の席の子に仕返しをして、今後君を見かけたら遠ざかるようにさせろって。これは僕の言葉じゃなくて、懸賞金の原文そのままだよ!」