第216章 小さな友情(2)

しかし佐藤和音が確信できたのは、彼女がそのような接触を嫌がっていないということだった。

「謝らなくていいよ」大井心は続けて言った。「あなたが私を傷つけたわけじゃないのに、なぜ謝らなきゃいけないの?それはおかしいよ!私は、私はとても怖かったし、とても、とても怒ってた!でも...でもあなたが悪いことをしたわけじゃない!だから、だからあなたに怒る理由なんてないの!」

話している時、大井心の感情はまだ少し高ぶっていて、さっき泣いたばかりの彼女は、まだすすり泣いていた。

「ありがとう」という普通の言葉が、佐藤和音の口から出たとき、特別な重みを持っていた。

大井心は赤い目で首を振った。「そもそもあなたが悪いわけじゃないんだから、謝ったりお礼を言ったりする必要なんてないの、本当に!」

奥野実里が入ってきた時、ちょうどこの場面を目にした。

佐藤和音がベッドの横に立っていて、小さな体つきで、柔らかくて白くて触りたくなるような様子だった。

ベッドに横たわっている子は佐藤和音よりも少し大きく見えたが、彼女と比べるとかなりの差があった。

二人の少女は手を取り合って、話をしていた。

奥野実里は笑顔で近づいてきて、手にたくさんの物を持っていた。

奥野実里は大井心のために買い物に出かけていたところで、日用品や夜食を買ってきた。

佐藤和音も来ていることを知っていたので、彼女の分も一緒に買っておいた。

「和音さん、あなたも食べなさい。太らない範囲で、適切にエネルギーを補給することは健康に良いわ」

大井心と佐藤和音は少し食べた。

体力を補給して、大井心の感情も落ち着いてきた。

大井心は奥野実里を見つめ、感謝と憧れの眼差しで言った。「あなた...本当にすごいですね...」

前回学校の門で奥野実里が佐藤和音に絡んでいた不良たちを殴るのを見た時から、大井心は彼女がすごいと思っていた。

今日はその感覚がさらに強くなった。

「お姉さんに遠慮することないわよ、大したことじゃないの。あなたは和音の友達だから、お姉さんの友達でもあるのよ。後で私の連絡先を保存しておいて、今度危険な目に遭ったら、お姉さんに電話してね!」

奥野実里の言葉は、なぜか人に安心感を与えることができた。

大井心は少し照れくさそうだったが、同時にとても安心した。