第216章 小さな友情(2)

しかし佐藤和音が確信できたのは、彼女がそのような接触を嫌がっていないということだった。

「謝らなくていいよ」大井心は続けて言った。「あなたが私を傷つけたわけじゃないのに、なぜ謝らなきゃいけないの?それはおかしいよ!私は、私はとても怖かったし、とても、とても怒ってた!でも...でもあなたが悪いことをしたわけじゃない!だから、だからあなたに怒る理由なんてないの!」

話している時、大井心の感情はまだ少し高ぶっていて、さっき泣いたばかりの彼女は、まだすすり泣いていた。

「ありがとう」という普通の言葉が、佐藤和音の口から出たとき、特別な重みを持っていた。

大井心は赤い目で首を振った。「そもそもあなたが悪いわけじゃないんだから、謝ったりお礼を言ったりする必要なんてないの、本当に!」