第215章 小さな友情(1)

大井心は啜り泣きながら頷いた。

彼女は本当に怖がっていた。

しばらくすると、サイレンの音が響き、警察がこの路地にやってきた。奥野実里が大井心のために通報したのだ。

奥野実里は大井心を抱きかかえてパトカーに乗せた。

奥野実里は170センチ以上の身長で筋肉質な体つきだったため、大井心を抱きかかえるのは全く問題なかった。

車に乗せる時、奥野実里は言った。「さすが私の和音ちゃんの同級生ね。本当に軽いわ。お姉さんなら二人一緒にマラソン走っても平気よ」

もちろん、体が小さい方といえば、佐藤和音の方がもっと小さかった。

あの細い手足では、車に乗るのも一苦労だった。

奥野実里は大井心を病院に連れて行き、診察を受けさせた。

不良たちは全員逮捕された。

佐藤和音は奥野実里から連絡を受けて病院に駆けつけた。