大井心は啜り泣きながら頷いた。
彼女は本当に怖がっていた。
しばらくすると、サイレンの音が響き、警察がこの路地にやってきた。奥野実里が大井心のために通報したのだ。
奥野実里は大井心を抱きかかえてパトカーに乗せた。
奥野実里は170センチ以上の身長で筋肉質な体つきだったため、大井心を抱きかかえるのは全く問題なかった。
車に乗せる時、奥野実里は言った。「さすが私の和音ちゃんの同級生ね。本当に軽いわ。お姉さんなら二人一緒にマラソン走っても平気よ」
もちろん、体が小さい方といえば、佐藤和音の方がもっと小さかった。
あの細い手足では、車に乗るのも一苦労だった。
奥野実里は大井心を病院に連れて行き、診察を受けさせた。
不良たちは全員逮捕された。
佐藤和音は奥野実里から連絡を受けて病院に駆けつけた。