第214章 恵子姉のヒロイン的救出

大井心は怖くて仕方がなかった。恐怖、屈辱、絶望、様々な感情が彼女を飲み込んでいった。

そのとき、突然の声が響いた。

「この野良犬どもが何をしてるんだ?お前らの頭を叩き潰してやる!」

女性の声だった。声は威厳があり、力強かった。

すると、彼女の周りで彼女を脅かそうとしていた男たちが動きを止めた。

そして、殴り合いの音が聞こえてきた。

続いて大井心は男たちの悲鳴と、壁に激しく体が叩きつけられる音を聞いた。

男たちの苦痛の呻き声が、次々と響いた。

ようやく大井心の手を掴んでいた男も引き離された。

大井心は急いで頭から被せられていた袋を外し、同時に虚脱と恐怖で地面に崩れ落ちた。

大井心が周りを見渡すと、数人のチンピラが倒れており、手足を縛られて地面で苦しそうに呻いていた。