第213章 大井心がトラブルに巻き込まれる

藤田安広は佐藤直樹の質問に答えた。「佐藤さん、遠慮なさらないでください。私たちファズル先生の治療は有料で、料金は公開されており、誰に対しても同じです。もし佐藤さんが感謝の気持ちがおありでしたら、お会計の際に少し多めにお支払いいただくことをご検討ください」

そんな形式的なことを言う必要はない。その時間があるなら和音さんからもっと料金を取ればいい。

結局、何度お礼を言っても、お金にはならないのだから。

「ええ、もちろんです」佐藤直樹は快く承諾した。

この件については、すでに父と兄から相談を受けていた。

もしこの手術が本当に成功すれば、主治医のファズル先生に相応の謝礼をするつもりだった。

藤田安広はさらに付け加えた。「それと、佐藤さん、手が良くなったら、周りの人々や出来事に冷静に向き合ってください。恨みを抱かないように。たとえ良くないことがあっても、人生への希望を捨てないでください。あなたを心配している人たちのことを忘れないでください」