第234章 チャリティーパーティー（3）

「ええ、これは私の長男です。大したことはありませんが」と山田燕は謙虚に言った。「そしてこちらは義姉の子供です」

千葉夫人は笑いながら言った。「そうだったのですね。佐藤夫人がお忙しくて来られないとも聞いていました」

千葉夫人は山田燕と少し雑談をした後、他のお客様の所へ向かった。

山田燕は内心とても満足していた。

今日の訪問が無駄ではなかったことを確信していた。

次々と人々が山田燕に話しかけてきて、佐藤明人と佐藤和音にも視線が向けられた。

この二人の容姿は確かに目を引いた。

特に佐藤明人は、容姿が際立ち、雰囲気も申し分なかった。

最も重要なのは、彼が今、妹に向ける姿が非常に魅力的だということだった。

会場の若い女性たちは、彼が妹に対してそのように熱心に接する様子を見て、思わずときめいてしまった。

女性を大切にする男性は、いつも特別な魅力がある。

人々は密かに佐藤明人について話し始めた。

「彼、ジュピターの野田国夫に似てない？」

「そうそう、まさに彼だわ。まさか今日のチャリティーパーティーに来ているなんて！」

「実物はテレビで見るよりもっとかっこいいわ！」

「隣にいる女の子は誰かしら。彼、すごく優しそうな態度で接してて、本当に素敵！」

「あの女の子の年齢を見ると、妹さんでしょうね。この年齢だと、恋人というわけにはいかないでしょう」

「その通りよ、本当に妹さんなの。でも実の妹じゃなくて従妹で、しかもその子は他でもない佐藤和音よ。佐藤家のあの甘やかされて、すごく気が強い佐藤和音」

「佐藤和音？まさか彼女なの？あの超嫌な子？全然似てないわね」

「さあね、お兄さんの前では良い子を演じているのかもしれないわ」

「佐藤和音って、すごくわがままな子でしょう？佐藤家で一番愛されている姫様だからって、他人を見下してるような」

「……」

元々は佐藤明人について話していたのに、いつの間にか話題は佐藤和音に移っていた。

佐藤和音には以前から多くの黒歴史があり、多くの人々の反感を買っていたため、彼女についての話題は尽きることがなかった。

佐藤和音は大阪市の名家の中でも悪名高かった。

最終的に、元々佐藤和音を羨ましく思っていた人々も、嫌悪感を示すようになった。

元々佐藤明人に話しかけようと思っていた人たちも、佐藤和音のせいで躊躇してしまった。