243章 原詩織と簡1凌の比較(1)

原詩織は説得されてしまった。

江口沙央梨の「事実に即して」という言葉が、彼女の元々の拒否感を打ち消してしまった。

江口沙央梨の言うことは間違っていない。写真が流出したとしても、彼女たちはただ一枚の写真を投稿しただけで、しかもその写真は事実を写したものだ。

そんな心理的な慰めのもと、原詩織は今までしなかったことをしてしまった。

彼女は写真を江口沙央梨に送った。

江口沙央梨は写真を受け取るとすぐに、学校の掲示板に投稿の編集を始めた。

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学校に戻った佐藤和音は、自分と千葉佳津との出会いが誤解されていることを知らなかった。

彼女にとって、やるべきことが山積みだった。

佐藤直樹の手術は終わったものの、目の前には千葉佳津の母親のプロジェクトと、あの老紳士の件を処理することが残っていた。

同時に、彼女の軟膏も臨床実験を始めなければならない。

佐藤和音は授業中のすべての時間を様々な仕事に費やし、他人の自分に対する見方を気にする暇もなかった。

「和音、掲示板見てよ。また誰かがあなたに関する投稿をしたわ」

大井心は佐藤和音のことを不憫に思った。隣の席の友達は毎日自分のことで忙しいのに、みんなの非難は止まることを知らない。

佐藤直樹の怪我の一件以来、佐藤和音は妖怪のように扱われるようになった。

後に事実が明らかになっても、まだ佐藤和音にしつこく食らいついて、自分たちの以前の見方が正しかったことを証明しようとする人々がいた。

佐藤和音が見ると、掲示板には二つの人気スレッドが追加されていた。

一つは原詩織に関するものだった。

【栄光の女神、また物理コンテストで受賞、女神の歴年の優秀な実績を振り返る】

スレッドの内容は原詩織の高校三年間での様々な優秀な成績だった。

普段の試験成績がトップクラスなだけでなく、様々なコンテストでも受賞していた。

前回の高額賞金の化学コンテスト以外にも、他のコンテストや作文コンクールにはほとんど原詩織の名前があった。

それだけでなく、原詩織は学校の運動会での走り高跳びや走り幅跳びでも受賞し、青少年刺繍賞も獲得していた。

スレ主の原詩織に対する最後の総評は:徳・知・体・美・労の全面的な発展を遂げている、というものだった。

コメント欄も称賛の声で溢れていた。