佐藤直樹は毎日のリハビリトレーニングと定時の服薬以外にも、暇な時間はなかった。
一つは、この期間に遅れた学習を取り戻したいと思っていた。
二つ目は、自分なりの娯楽生活も始めていた。
最近の気分は本当に良かった。
自分の指が怪我をした時よりもずっと器用になっているのを見て、佐藤直樹の顔にも徐々に笑顔が増えていった。
この期間で不快に感じることがあるとすれば、それはおそらく二つのことだけだった。
一つは毎日飲まなければならない、思わず吐き気を催すほど苦い漢方薬だった。
その味は佐藤直樹が飲むたびに思わず身震いするほどだった。
しかし研究所の医師とスタッフは、これは彼の手の神経の回復を助けるためのものだと言っていた。
手をより完全に治すために、佐藤直樹はどんなに苦くても我慢していた。