第259章 原おばさんが解雇される(2)

原おばさんは焦って泣き出した。

原詩織はその声を聞いた瞬間、胸が締め付けられるような思いがした。

「お母さん、どうしたの?何があったの?落ち着いて、またあのろくでなしが来たの?」

「違うの、それが...それが...長男様に解雇されたの...」

「何ですって?解雇?どうしてそんな...」

原詩織の顔に驚きの色が浮かんだ。

目の前で好奇心に満ちた眼差しを向けている江口沙央梨を一瞥すると、原詩織は立ち上がり、食堂の外の花壇のそばに移動して、母との会話を続けた。

「お母さん、泣かないで、泣かないで。まず長男様が何て言ったのか教えて。」

原おばさんの泣き声に、原詩織の心は締め付けられるようだった。

「長男様は、お嬢様が本邸に戻られて、長男様と次男様もあまり家にいらっしゃらないから、面倒を見る必要があるのは三男様だけで、安田おばさん一人で十分だから、私はもう必要ないって...」