不動産業で財を成し、今では様々な業界に企業を持っている。
大阪市の出身ではないが、大阪市にいくつかの事業を持ち、佐藤家とも取引がある。
佐藤おじいさんと同じく蘭の花を愛好しており、二人の関係は親密とは言えないが、確実に知人と言える仲だ。
「佐藤じじい、今日ここで会えると思っていたよ!」
「金山さん、今日も来たのかい?」佐藤おじいさんは笑顔で相手に挨拶を返した。
「佐藤じじいは本当に幸せ者だな。花の展示会に来るのにこんなに大勢の若い者が付き添ってくれて。私とは違って、私の子供たちは誰一人来たがらないんだ。」
「いやいや、今日は特別なんだよ。」佐藤おじいさんは微笑んだ。
普段は一人で来ているのだ。
今日は一人多く連れてくるつもりだったのに、出発時には一団になってしまった。