第270章 神様ジェイテン(2)

佐藤和音をチームに引き入れた時、青木健児はまだ現実を疑っていた。

「健児、何をぐずぐずしているんだ？早くゲームを始めろよ！」佐藤明人の青木健児に対する軽蔑の念は、まるで川の流れのように尽きることがなかった。

青木健児は佐藤明人に尋ねた：「明人さん、妹さんのアカウント、何か変だと思わない？」

「何も問題ないよ。このキャラクター、妹の実際の姿にぴったりだ」

佐藤明人が言っているのは佐藤和音のモデル、可愛いロリータのことだった。

佐藤明人は、このロリータが菊地秋次と上杉望に救われたものだということを知らなかった。

もう少しで佐藤和音はおじさんキャラを選ぶところだった。

「キャラクターモデルのことを言っているんじゃない！」青木健児は佐藤明人に呆れた。明人さんの目は本当に大丈夫なのか？

こんな調子で、本当に彼は将来彼女が見つかるのだろうか？

なぜか心配になった。

「じゃあ何のことだ？」

「名前だよ！和音ちゃんの名前をよく見てみろ！」

「何度も見たよ！」

「じゃあ、ゲームロビーの地域ランキングを見てみろ！」

「なんでそんなものを？」佐藤明人はそう言いながら、地域ランキングをちらりと見た。

首位の名前が目立っていた。

ジェイテン。

「あれ？和音、お前の地域のランキング1位の名前、お前と同じじゃん！」

青木健児は額に手を当てた。「明人さん、もう手遅れだ」

佐藤明人は一瞬固まり、やっと気づいた：「妹！お前のアカウントがランキング1位なのか！」

「うん」佐藤和音は静かに答えた。

「いや、でも...どうしてお前のアカウントがランキング1位になったんだ？」

「わからない」

佐藤和音は以前2位だったことを覚えていた。

なぜか突然1位になっていた。

元々1位だったゼットワイエスがいつの間にかポイントを落として下がっていた。

ジュピターの4人の表情は全く同じだった。

「まあ、そんなことはどうでもいい。とりあえず始めよう」佐藤明人は言った。

佐藤明人は、誰かが和音のアカウントをこんな高いランクまで上げてくれたのだと理解した。

だって妹がこんな暴力的なシューティングゲームをプレイするはずがないじゃないか。

そして青木健児はゲーム開始ボタンを押した。

ゲームが始まると、佐藤明人の先入観は即座に覆された。