夜、佐藤隼人は上杉望、佐藤和音、菊地秋次とチームを組んで、初めての4人でのオンラインゲームを始めた。
上杉望は佐藤隼人の前で腕前を見せようと思っていた。
以前の3人組では、彼が一番弱くて、キャリーされるだけだった。
今日は初めてゲームをプレイする佐藤隼人が来たので、やっと実力を見せるチャンスだと思った。
しかし、佐藤隼人のプレイは初心者らしくなかった。
菊地秋次と佐藤和音には及ばないものの、上杉望よりもずっと上手だった。
これに上杉望は落ち込み、ボイスチャットで佐藤隼人を騙し者だと叫んだ:「佐藤隼人、お前このゲーム初めてだって言ったじゃないか!嘘つき!ひどいよ!」
「今日が本当に初めてだよ」佐藤隼人は嘘をついていなかった。
「そんなはずない、初めてなのにどうしてそんなに上手いんだよ?」
和音様はまだしも、どうして佐藤隼人のような奴までこんな才能があるんだ?
認めたくない、絶対に認めたくない。
「いや、僕は普通だと思うけどな」佐藤隼人は自分のプレイは普通だと思っていた。今は妹にも及ばないし、まだまだ伸びしろがあると。
佐藤隼人は手先が器用で、今はまだ簡単な手品しかできないが、指の動きは常に良かった。
そのおかげで、PCゲームで自然とアドバンテージがあった。
佐藤隼人の「普通」という言葉が上杉望の心を刺した。
上杉望は泣きたくなった。秋次おじいさんと和音様には勝てないし、今では新参者の隼人にも勝てない。もう生きていけないじゃないか?
しかし、しばらくすると上杉望は気持ちを切り替えた。
どうせキャリーされるなら、キャリーしてくれる人が増えた方がいいじゃないか?
3人が1人を運ぶなら、より楽に運んでもらえる!
佐藤隼人は才能があるし、宗師ランクまでもう間もない!彼らは『虫族の侵略』グローバル選抜大会でトップ100に入れるぞ!
メンバーが決まったので、次は申し込みだ。
これらの作業は全て上杉望が一人で引き受けた。
チーム名を入力する番になって、上杉望は悩んだ。
どんな名前がいいだろう?
チーム名は威厳があるものがいい、できればチームメンバーの特徴も表現できたら最高だ。
上杉望は突然閃いて、チーム名の欄に入力した:天翔。
この名前を見るだけで威厳がある。
しかも秋次おじいさんと和音様という二人の神様の名前も含まれている。