「いりません」佐藤和音は落ち着いた、断固とした口調で答えた。
「佐藤さん、本当にいいんですか?私たちは本当に強いんですよ。信じられないなら、ランクを見せることもできますよ。嘘じゃないです!」
「ランク上げる気はないんです」佐藤和音は答えた。
佐藤和音のこの返事で、男子学生たちの期待は消え去った。
やっぱり女の子にはこういうFPSゲームへの夢なんてないんだな。
まあ、仕方ない。無理強いはしないでおこう。
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『虫族の侵略』のグローバルオンライン予選が始まってから、上杉望が佐藤和音を訪ねてきた。
興奮した表情で、目は期待に輝いていた:
「和音様、一緒にチームを組みましょう!」
「昨日組んだじゃない」
「いや、そういう意味じゃなくて、大会に出場するためのチームを組もうってことです!虫族の侵略が公式大会を開催することになったんです!予選から始まって、段階的に勝ち上がっていくんです!あなたと私と秋次おじいさんの三人で、もう一人見つければ四人チームが組めます!」
佐藤和音は上杉望を見つめ、その目に満ちた期待を見て、すぐには断らなかった。
上杉望は更に「お願い」を続けた:「和音様、お願いします!どうかお願いします!」
「もう一人は誰を探すの?」佐藤和音は現実的な質問をした。
「佐藤隼人です!」上杉望は即答した。「あいつは今はまだ下手だけど、僕が教えられます。和音様と秋次おじいさんがいれば、隼人があまり足を引っ張らなければ、問題ないはずです!」
上杉望は考えれば考えるほど、佐藤隼人を誘うのはいい考えだと思い、佐藤和音に話した後すぐに佐藤隼人を探しに行った。
最初、上杉望からゲームをやろうと誘われ、チームを組もうと言われた時、佐藤隼人は興味なさそうで、断るつもりだった。
しかし、上杉望が既存メンバーは自分と菊地秋次、そして佐藤和音だと聞いた時、佐藤隼人はすぐに承諾し、菊地秋次の交代を提案した:
「君の誘いは受けるよ。一緒にゲームをやろう。でも、その菊地秋次って人は替えられないかな?東京の人なんでしょう?僕たちとは場所が違うし、いずれ東京に帰るんだろうから、彼と組むのは不便だと思うんだ」