月曜日、佐藤和音は学校に戻った。
グローバルテック株式会社が制作した『虫族の侵略』は最近大人気となり、栄光高校も例外ではなかった。
休み時間になると、クラスメートたちがこのゲームについて話し合う声が聞こえてきた。
男子が多かったが、女子も結構プレイしていた。
臆病な大井心でさえ、このゲームをプレイしていた。
その心理過程はホラー映画を見るのと同じようなものだった。
驚かされることを知りながらも、意を決して挑戦する。
もちろん、彼女の腕前は散々で、射撃の精度が極めて低く、いわゆる人体輪郭描写の達人だった。
予測も立ち回りもできず、しょっちゅううっかり巨大な虫族の巣に迷い込んでは、血肉飛び散る悲惨な最期を迎えていた。
時々驚いて悲鳴を上げることもあった。
知らない人が聞いたら、何か大変なことが起きたのかと思うほどだった。
しかし大井心はそれでも諦めず、何度失敗しても挑戦を続け、粘り強く頑張り続けた。
「心ちゃん、あなたも『虫族の侵略』やってるの?」隣の女子が寄ってきて尋ねた。
「うん、でも私すっごく下手なの。」
「最近このゲームで公式大会が開催されるって聞いたよ!優勝者にはすごい賞金が出るんだって!」
「私のことを買いかぶりすぎよ。そんな大会のこと私に教えなくていいわ。」大井心は、そんな大会が自分と何の関係もないと思っていた。
「私たちのクラスでも、もう何人もチームを組んで申し込んでるよ。」女子が言った。
今、クラスの男子の多くが意欲を見せていた。
「うらやましい。私は今、週末しかゲームができないし、他の時間はパソコンに触れないの。技術がないから参加できないってことはおいといても、技術があっても時間がないわ……人生は寂しい雪のよう。」
大井心は佐藤和音の方を向いて聞いた:「和音、このゲームやってる?」
「やったことある。」
「怖い画面や効果音に驚いたことある?」
「ない。」
「このゲームすごくキツイと思わない?死んでも何で死んだのか分からないくらいキツイ!」
「まあまあ。」
「うう、和音はやっぱり精神力の代表ね。」
近くの男子が大井心と佐藤和音の会話を聞いて、からかうように言った:「心さん、君の隣の子が精神力があってもこのゲームじゃ意味ないよ。度胸があるからって上手くなるわけじゃないからね。」