第296章 キャリーされたくない?

月曜日、佐藤和音は学校に戻った。

グローバルテック株式会社が制作した『虫族の侵略』は最近大人気となり、栄光高校も例外ではなかった。

休み時間になると、クラスメートたちがこのゲームについて話し合う声が聞こえてきた。

男子が多かったが、女子も結構プレイしていた。

臆病な大井心でさえ、このゲームをプレイしていた。

その心理過程はホラー映画を見るのと同じようなものだった。

驚かされることを知りながらも、意を決して挑戦する。

もちろん、彼女の腕前は散々で、射撃の精度が極めて低く、いわゆる人体輪郭描写の達人だった。

予測も立ち回りもできず、しょっちゅううっかり巨大な虫族の巣に迷い込んでは、血肉飛び散る悲惨な最期を迎えていた。

時々驚いて悲鳴を上げることもあった。

知らない人が聞いたら、何か大変なことが起きたのかと思うほどだった。