第295章 菊地秋次と簡一凌の夜話

夜中、佐藤和音は眠りの途中で突然目を覚ました。夢に驚かされたのだ。

またあの夢だ。これで三度目の同じ夢を見たことになる。

佐藤和音は和室の扉を開け、日本庭園の特徴が溢れる庭を眺めた。

庭園は趣があり、今は月明かりが降り注ぎ、庭全体が明るく照らされていた。

庭園で、佐藤和音は何故か同じように眠れずにいる菊地秋次を見つけた。

佐藤和音は彼の方へ歩み寄った。

着物姿の佐藤和音が出てきたのを見て、菊地秋次は少し意外そうだった。

「どうして寝ないんだ?」菊地秋次は佐藤和音に尋ねた。

「私にウサギの真似をするなって言っておいて、自分がしてるじゃない」佐藤和音は小声で、菊地秋次のこの"自分に甘く他人に厳しい"やり方を非難した。

菊地秋次は軽く笑って言った。「狼は昼寝て夜活動するって知らないのか?」