第310章 反転で原詩織に恥をかかせる(2)

今では彼女のクラスの先生は、国語の先生を除いて、みんな彼女を指名して質問に答えさせるのが好きだった。

原詩織の言葉がそれほど過分ではないと思っていた人々は、佐藤和音の言葉を聞いた後、突然佐藤和音の方がより理にかなっていることに気づいた。

江口沙央梨と原詩織が言う「根拠がある」というのは、ただ佐藤和音にその動機があるということだけで、彼女たちには何の証拠もなかった。

原詩織は初めてこのような佐藤和音に出会った。これまで知っていた佐藤和音とは全く違っていた。

印象の中の佐藤和音は刺激を受けると大声で叫び、焦ると人を罵り、こんなに筋道立てて自分を弁護することは決してなかった。

原詩織と江口沙央梨が佐藤和音の反応に驚いているときだった。

ネット上に新しい情報が出てきた。

役の交代の理由についてだった。

誰かが制作チームが急遽人を変更した理由を暴露したのだ。

実は新進女優の小西麻弥がその作品の投資家と関係を持ち、投資家が直接制作チームに人の交代を要求し、強引に小西麻弥に役を与えたのだった。

小西麻弥は新進女優と言われているが、実際にはその肩書きも投資家が強引に作り出したもので、視聴者たちは認めていなかった。

暴露した人は口頭で言うだけでなく、投資家と女優の小西麻弥の写真証拠を大量に貼り付け、電話の録音まで公開した。

非常にセンセーショナルだった。

暴露内容は直接トレンド入りした。

わずか七、八分のことで、情報は学生たちの目の前に現れた。

真相を見て、まだ泣きながら佐藤和音を問い詰めている原詩織を見ると、食堂にいる百人以上の学生たちの視線が妙なものになった。

しかし、まだ佐藤和音との対峙に気を取られている原詩織と江口沙央梨は最新の情報を見ていなかった。

佐藤直樹のクラスメートが佐藤直樹の側に歩み寄り、慎重に佐藤直樹の肩を叩いて、自分のスマートフォンを佐藤直樹に見せた。

内容を見終わった佐藤直樹は一瞬の躊躇もなく言った:

「江口沙央梨、原詩織、自分でトレンドの内容をよく見てみろ。お前たちは証拠が欲しいんだろう?今証拠はネット上にあるじゃないか!」

江口沙央梨の心臓が「ドキッ」と鳴り、不吉な予感が自然と湧き上がってきた。

まさか間違えていたのだろうか?

いや、佐藤和音以外に誰が原詩織と対立し、原詩織の成功を妬むというのだろう?