第318章 新興の権力者・千葉佳津(1)

大阪市で大きなニュースが飛び込んできた。東京の千葉家が大阪市で千葉家当主の実の息子を見つけたのだ。

このニュースが出るや否や、大阪市の権力者たちの間で大騒ぎになった。

東京の千葉家とはどれほどの地位なのか?

彼らの私生児が大阪市にいたとは?

千葉家当主には一人娘しかおらず、嫡男がいないことは周知の事実だった。

そして当主夫人は昨年他界している。

つまり、この私生児は千葉家の次期後継者になる可能性が高いということだ!

その身分と地位は、現在大阪市にいる秋次おじいさんと同等というわけだ!

秋次おじいさんは付き合いづらい人物で、影すら見ることができないのに、まして良好な関係を築くなど論外だった。

しかし、この千葉家の未来の新貴族なら、まだ力をつける前に会って好意を示すことができるかもしれない。それは良好な関係を築く絶好の機会だ。

山田燕はこのニュースを聞いた瞬間、すぐに千葉佳津に関する情報を調べさせた。

そして驚いたことに、千葉佳津は佐藤家とも接点があったことが分かった。

彼は以前、佐藤正志に雇われて佐藤和音の家庭教師をしていたのだ。

山田燕は嘲笑した。佐藤和音は本当に運がいい、適当に見つけた家庭教師が東京千葉家の後継者だったなんて。

さらに佐藤和音が菊地秋次とも親しいことを思い出し、山田燕の心中は穏やかではなかった。

佐藤和音がこのニュースを見た時、最初の反応は困惑だった。

原作のストーリーでは、千葉佳津が千葉家に見つかるのは少なくともあと3年後のはずだった。

今回は原作より丸3年も早い。

何か違いがあったのだろうか?

佐藤和音は考えに考えた末、自分が変えた千葉佳津に関することと言えば、彼の母親の病気のことだった。

原作では、この時期に千葉佳津の母親はすでに亡くなっているはずだった。

千葉佳津の母親が生きていることで、千葉清司が母子を見つけることができた可能性があるのではないだろうか?

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千葉家の意向では、すぐに千葉佳津を東京に連れて行きたがっていたが、千葉佳津は母親の体調がまだ安定していないことを理由に、留まることにした。

千葉清司は東京にいる従兄の指示を受けた後、大阪市でパーティーを開き、そこで千葉佳津の身分を公表し、正式に認知した。