第327章 佐藤正志、原おばさんを尋問(2)

原恵子は震える声で説明した。「彼女は私の元夫の異父異母の姉で、以前会ったことがあります...大少爺様、本当に故意ではありませんでした。他のことは何もしていません。ただ家の情報を彼女に報告し、彼女の指示通りに三少爺様を誤解させるような話をしただけです。」

原恵子は泣きながら言った。「大少爺様、誓って申し上げます。この件について娘は何も知りません。私一人がやったことです。物を盗んだのも私の欲深さのせいです。全ては私の過ちです!罰するなら私一人を罰してください...」

佐藤正志は片足で原恵子の顔を踏みつけた。「お前一人を罰する?ふん、今さらお前に条件を出す資格があるとでも?」

佐藤正志は足で原恵子の顔を踏みつけたまま、佐藤一輝に電話をかけた:

「一輝、調べが終わった。山田燕だ。」

電話の向こうの人は少し沈黙した。「だから和音は真相を知った後、録画がどこから来たのか明かさなかったのか?」

この件には二人の叔父と、明人、浩人、隼人の三兄弟が関わっている。

「お前は和音のことをよく知っているだろう。どう思う?」

「山田燕はもうやってしまったことだし、このまま置いておくのは危険だ。本人に何もできないとしても、もう佐藤家に置いておくわけにはいかない。叔父と離婚させる方法を考えよう。明人たちには悪いが。」

「同意だ。」

この件について佐藤正志と佐藤一輝兄弟の意見は一致した。

佐藤一輝は付け加えた。「でも理由はこの件にしてはいけない。叔父や明人たちにこの件で和音を恨まれたくない。」

「分かってる。」佐藤正志は電話を切り、地面に跪いて震えている女を見つめ続けた。

佐藤正志が電話を切るのを見て、原恵子は恐る恐る尋ねた。「大少爺様、私は全て話しました。山田燕から受け取ったお金も全て無くなりました。もうこの件は口外しないでいただけますよね?」

「私がそんなことを言った覚えがあるか?」

佐藤正志は一度も原恵子に、背後の黒幕を話せば許すとは言っていなかった。

そう言って佐藤正志は立ち上がって去ろうとした。

「大少爺様!」原恵子は突然どこからか力が湧いてきたように、佐藤正志の足に飛びついた。

「お願いです、娘だけは許してください!私がした間違いです。私一人の責任です!娘は本当に何も知りません!彼女は無実なんです!」