第326章 佐藤正志が原おばさんを尋問(1)

宴会が終わり、佐藤賢治はすぐに佐藤正志に電話をかけた。「どうなっている?」

佐藤賢治はその件の進展をとても気にしていた。

「処理中だ」佐藤正志が答えた。

「早く調べてくれ」佐藤賢治は娘との疎遠な関係を思い出し、その事件の黒幕を追及したい気持ちが一層強くなった。

「すぐに結果が出る」

電話の声は冷たさを帯びていた。

電話を切ると、佐藤正志の目の前には泣いている女がいた。

その女は他でもない、原詩織の母親、原恵子だった。

威圧的な佐藤正志の前で、原恵子は全身を震わせながら立っていた。

「若旦那様、私が、私が悪かったんです...警察には通報しないでください...」

「知っていることを全部話せ」佐藤正志は事件の全容を知りたがっていた。

あの日、監視カメラの映像が彼らの元に届けられたが、映像を持ってきた人は出所を明かそうとしなかった。