第353章 原詩織は山田燕と連絡を取る

原詩織はここ数日休んでいた。学校での噂話を避けたいという理由もあったが、他にもやらなければならないことがあったのだ。

原詩織はまず自ら山田健司を訪ね、今彼女たちを困らせても得られるお金はわずかだが、将来彼女に稼ぐ力がついたら、もっと多くのお金を得られるようになり、彼の取り分も増えると伝えた。

彼女は山田健司が本気で母娘と一緒にいたいわけではないことを知っていた。本当に母娘と一緒にいたいのなら、最初から愛人と逃げ出して母娘を見捨てたりはしなかったはずだ。

だから彼がこんなに騒ぎ立てる最大の理由は、お金しかありえなかった。

山田健司は目の前の娘を見て、彼女の言葉に少し心を動かされた。

佐藤正志から得られるお金には限りがある。しかし、娘が将来成功すれば、絶え間なく金銭を得られるだろう。