第358章 記者会見(1)

研究所の方で記者会見を開くと言い出し、その会見で盗作事件について回答すると言及した途端、山田燕は笑みを浮かべた。

公開処刑とはこのことだ。

山田燕は、今頃佐藤賢治と岡本治美がきっと焦っているだろうと思った。大切な娘の将来が台無しになるところで、必死になって頭を下げて頼み込んでいるに違いない。

岡本治美が焦って涙目になっている姿を想像するだけで、心の中がすっきりした。

その時には必ず、この義姉を「慰めに」行くつもりだ!

岡本治美だけでなく、佐藤和音というあの生意気な娘も同じだ。

あの生意気な娘が絶望する姿を想像すると、この間のモヤモヤが随分と晴れた気がした。

やはり学生を潰すのは、学生のことを一番よく知っている者だ。

将来。

全てを。

佐藤和音がどれだけ変わったとしても、このような汚点があれば、今後何をしても無駄になる。