研究所の方で記者会見を開くと言い出し、その会見で盗作事件について回答すると言及した途端、山田燕は笑みを浮かべた。
公開処刑とはこのことだ。
山田燕は、今頃佐藤賢治と岡本治美がきっと焦っているだろうと思った。大切な娘の将来が台無しになるところで、必死になって頭を下げて頼み込んでいるに違いない。
岡本治美が焦って涙目になっている姿を想像するだけで、心の中がすっきりした。
その時には必ず、この義姉を「慰めに」行くつもりだ!
岡本治美だけでなく、佐藤和音というあの生意気な娘も同じだ。
あの生意気な娘が絶望する姿を想像すると、この間のモヤモヤが随分と晴れた気がした。
やはり学生を潰すのは、学生のことを一番よく知っている者だ。
将来。
全てを。
佐藤和音がどれだけ変わったとしても、このような汚点があれば、今後何をしても無駄になる。