第359章 記者会見(2)

研究所は今回の記者会見で新薬の研究成果を発表することを主な内容としていた。

記者会見はオンラインで同時配信された。

配信の視聴者数は過去最多となった。

これまでこのような配信を見ていたのは、この業界の関係者や研究者だけだった。

今日は多くの見物人が集まり、主に学生で、一部の保護者や教師もいた。

休みを取った原詩織は、パソコンの前に座り、オンライン配信を通じてこの記者会見を見守っていた。

研究所からの回答を待っていた。

佐藤家と佐藤和音は、彼女たちにしたことの代償を払うべきだ。

彼女と母親が受けた屈辱は、この記者会見の後、佐藤和音とその家族に全て返されることになる。

会見の前半は見物人にとって少し退屈で、学術的な内容ばかりで、ほとんどの人には理解できなかった。

後半の質疑応答の時間になると、記者たちは最近噂になっているファズル先生の論文盗用事件について質問し始めた。