第374章 ファンもアンチも

野田国夫のファンは佐藤和音に強い好奇心を抱いていた。

先ほど番組スタッフのインタビューで、野田国夫は佐藤和音を自分の妹だと紹介したが、実の妹なのか、従妹なのか、いとこなのかは具体的に言わなかった。

【わぁ、野田国夫の妹さん、すごく可愛いね。】

【えっ、じゃあ前回の新曲MVのヒロインは野田国夫の妹だったの？なんて神がかった美形の兄妹なんだ。】

【羨ましい、私もこんな妹が欲しい。】

【私はこんな兄が欲しいかな。】

【妹さん、食べ物を全然持ってこないけど、島に着いたら腹が減るよ。】

【そうだよね、明人さんは料理できないし、島に食べ物がないと兄妹二人とも空腹になっちゃうよ。せめてビスケットくらい持ってくればいいのに！】

時間切れとなり、全員が道具の選択を終えて、船に乗り込んだ。

船に乗ると、佐藤明人は佐藤和音とデッキに行き、兄妹はデッキで海と景色を眺めていた。

ある男性出演者が近づいてきて声をかけた：「明人さん、今回は僕と組みませんか？」

他の出演者が連れてきた家族は、みな自立できそうな様子で、きっと助けになるだろう。

ただ佐藤明人が連れてきた家族は、明人の助けになるどころか、むしろ誰かの世話が必要そうに見えた。

前回の番組で、佐藤明人は自分の面倒すら満足に見られないことが分かっているのに、さらに妹を連れてくるなんて、無人島での二人の様子が心配だった。

男が近づいてくると、佐藤明人はすぐに体勢を変え、自分の体を佐藤和音の前に立ちはだかるように位置取りした。

そして丁寧に相手の好意を断った：「ご好意ありがとうございます。でも大丈夫です。妹の面倒は自分で見られますから。」

佐藤明人の妹を守る態度があまりにも明白で、コメント欄も黙っていられなかった。

【明人さん、その立ち位置もっとわかりやすくできない？妹さんを守る動作ももっと露骨にできない？】

【今日の明人さん、反応が特に過剰。シスコン確定！】

【なんてこと、いつもの天然な明人さんがこんなに妹思いだなんて、明人さんの将来の恋愛に一筋の希望が見えてきた！】

【きゃー、こんな明人さん可愛い！明人さんの子供産みたい！きっと女の子のパパになったら娘バカになりそう！】