第376章 兄の勝利を助ける（2）

「まずは箱を探すわ。前回の番組を研究したけど、箱の中には生活必需品が入っているはずよ」

佐藤和音が答えた。

「それは知ってるけど、でもあの箱は...全部暗証番号がかかってるんだよ...」

箱は会場全体に散らばっていて、見つけること自体は難しくないが、問題は暗証番号をどうやって解くかだった。

各箱には問題が書かれており、その答えが暗証番号となっている。

問題の種類は多岐にわたり、その八割は非常に難しく、ほとんど解けないものだった。

正しい暗証番号がなければ箱は開かない。

箱が開かなければ、ただ眺めているしかない。

残りの二割は、箱を見つけた人がカメラの前で特定の動作やタスクを実行するというもので、これは比較的簡単だった。

「大丈夫、箱を探しましょう」佐藤和音は佐藤明人を励ました。言葉は少なかったが、口調は断固としていた。

「わかったよ」佐藤明人はそれほど自信がなかったが、妹が探したいというので付き合うしかなかった。

約十分後、佐藤明人と佐藤和音は最初の箱を見つけた。

箱に貼られていた問題は数学の問題だった。

「くそっ！なんでまたこんな高度な問題なんだよ。制作陣は俺をいじめてるとしか思えない！」佐藤明人は問題を見るなり悲鳴を上げたくなった。

コメント欄では「容赦ない」冷やかしが始まった：

【ははは、前回も明人さんは数学の問題で苦しんでたよね】

【かわいそうな明人さん、箱は目の前にあるのに開けられないなんて辛すぎる、ははは...】

佐藤和音はその数学の問題を一瞥すると、ペンと紙を取り出して計算を始めた。

この問題は実際それほど難しくなく、高等数学の範疇ではなかった。ただいくつかの回り道があって、一見複雑に見えるだけだった。

佐藤和音はわずか一分で問題を解いた。

そして最後の六桁の答えを入力して、箱を開けた。

生配信を見ていた視聴者たちは呆然としていた：

【すげえ、明人さんの妹めっちゃ頭いいじゃん！こんな問題をサクッと解いちゃうなんて、明人さんより何倍も頭いいじゃん、本当の兄妹なの？】

【ははは、本当の兄妹って言ってる人、明人さんをディスってる気がする。証拠もあるよ】

【なんで明人さんが妹を番組に連れてきたのか、今やっとわかった気がする。妹さん頭良すぎ！】