第386章 佐藤浩人、実家に戻る(2)

ここにある植物のほとんどは昔のままの姿を保っており、庭にあるあの生い茂った大きなガジュマルの木も含まれていた。

しばらくすると、使用人は佐藤浩人を中へ案内した。

佐藤浩人を見て、部屋の中の佐藤おじいさんと佐藤おばあさんは驚きの表情を見せた。

「浩人、帰ってくるなら前もって言ってくれればよかったのに」と佐藤おじいさんは尋ねた。

彼らは佐藤浩人がこの時期、海外で囲碁の修行に励んでいると思っていた。彼は既に多くの大賞を獲得していたが、それでも定期的に「閉関」していた。

静かな場所を見つけては、半月以上も籠もっていた。

出家した人の修行によく似ていた。

「少し用事があって、早めに帰ってきました」と佐藤浩人は答えた。

佐藤浩人の冷淡な話し方を聞いて、おばあさんは心中やるせない思いになった。