第396章 謎の専門家(1)

山田燕は佐藤和音が座っている場所まで歩いて行った。

佐藤賢治、岡本治美、佐藤博もそばにいた。

山田燕は佐藤和音に尋ねた。「和音、あなたのお父さんと叔父さんは最近、橋本おじいさんとビジネスの話をしているけど、この橋本おじいさんってどんな人なの?趣味や習慣とかは?」

岡本治美は彼女が佐藤和音を通じて橋本おじいさんと親しくなることを許さないだろうが、相手の好みを聞くくらいは問題ないはずだ。

「知りません」佐藤和音は答え、山田燕に対する態度は他の人よりもさらに冷たかった。

しかし、彼女が知らないと言ったのは本当に知らないからだった。

彼女と橋本おじいさんは仕事上の協力関係にあり、自分の担当する仕事をきちんとこなすだけで、橋本おじいさんのプライベートなことには関わらないし、尋ねることもない。