「うん」佐藤和音も好きではなかった。
そして他の人が反応する前に、兄妹は会場から走り出した。
「和音!一輝!」
佐藤賢治と岡本治美は二人を呼び止める間もなく、兄妹の姿は見えなくなってしまった。
「この子たち、まだこんな調子なの!」
岡本治美は怒るべきか喜ぶべきか分からなかった。
一輝と和音は、昔と変わらないのは良いことだ。
彼らの娘は、まだ遠くへは行っていない。
佐藤一輝と佐藤和音は数百メートル走り続けてようやく立ち止まった。
兄妹とも運動は得意ではなく、少し走っただけで二人とも息を切らしていた。
佐藤和音の頬は赤く染まり、佐藤一輝は笑って言った。「もう走ったんだから、今日は外で一日遊ぼう」
こんな状況なら、以前の佐藤一輝なら絶対に叱られていただろう。
叱られるとわかっていても、佐藤一輝は以前よくやっていた。