「横山教授については、先ほどの判断に誤りがあったものの、彼の出発点は良いもので、私たちの学術研究環境をより純粋にするためのものでした。ただ少し軽率な行動をとってしまったので、この件の後はしっかりと反省し、次回このような事態に遭遇した際には、軽々しく結論を出さないようにしてください。」
三浦友加里はその場に崩れ落ち、目は焦点を失っていた。
一瞬の判断ミスで、彼女の明るい未来が台無しになってしまった。
このような処罰結果に対して、皆も特に意見はなかった。
菊地秋次は言った。「つまり、証拠もなく罪を決めつけ、冤罪を作り、侮辱しても、『出発点は良かった』という一言で済ませられるのですか?大学の指導部にはもう一度よく考えていただきたい。明日の朝、東京大学のある学生が学術不正を行い、指導教官がそれを必死に庇ったというニュースが世間に溢れることは望みません。」